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研修医に直接話せないこと [今日話したこと]

CTを撮った理由が説明できない。
CTは撮ったが痰は見ていない。
CRP 10には注目してCre1.2はスルー
想定した菌と抗生剤がちぐはぐ

今日のこのたった一つのプレゼンで日本の医療教育引いては日本の医療の特色が見える気がした。

よくわからないがあった方がいいCT
徒労に終わるくらいなら他の患者を診た方がいいグラム染色
高ければ不安低くても安心できないCRP 
勉強不足のまま使うことが許されている抗生剤。


「よくわからないがCT」については、一つは検査をしないとpayが得られないシステム。そして、上級医と研修医が対等でない、つまり研修医の意見も交えてディスカッションをするのではなく、提供された状況で上級医が判断する。という昔からある徒弟制度的な法式が今の医療の中にも息づいていることが原因していると思う。
また別の角度から見ると、情報はあれば(+)なければゼロもしくは(−)。患者へのマイナスやコストを犠牲にしても、学生や大学卒業したての医師が何かを判断するより情報を多く集めた方が安全。という見方も出来る。それはリスクマネジメントの考え方から正しいかもしれない。しかし、若い医師の思考静止を招き、成長もとめ、結局患者を危険に陥れているかもしれない。

「CRP伝説」もおなじような理由が考えられる。客観性のありそうなものがもし本当に客観性を持っていなかったとして、「都市伝説」をはめ込んでみんなで一緒に(赤信号を)渡れば医療事態がシンプルなものになり、それらを共有することで余計な(労力のみだが)回り道をしない医療が実現出来る。というシステムの象徴がこの「伝説」だと考える。
最近ではプロカルシトニンとかますます便利なものが開発されどんどん医師の頭で考える作業が緩和されているようだが、その分ピットフォールが増えることを知っている者のみがきちんとした医師になっていくのではないだろうか。
※「都市伝説!CRPが10を越えたら細菌感染である」もちろん当てはまる症例はたくさんあるだろうがどれほどの確率で正しいのかスタディがない。逆に低くても細菌感染である経験は日常経験する。CRPは経過を追うだけにして、診断には関与しない方が安全だと思われる。ましてや肺炎と診断した人にその高低は意味がない。

「グラム染色」が広まらない一つの原因として、日本の医師に集中する責任と医療者の需要に対する供給不足が原因しているように思う。
グラム染色上手くやれば治療の標的とする”敵”が直接その場で見えてくる訳で、これ以上の治療方針を決定づける情報はない。グラム染色をするマイナス面は労力と時間の経費のみで患者にマイナスはひとつもない。その導入がトロポニンやTSPOTより遅れるのはなぜか?それはひとえに労力もしくはセクショナリズムの問題ではないだろうか。医師は以前から医師でしかできない事柄以上のことを”偉い人’というところに祭り上げられ、管理者でなくても責任を集中させられ、人数が少ないのに(患者への責任のため)労力も強いられている。(と私は思っている)
グラム染色などとという大してお金にならない労力ばかりが増える手技はまずその必要性をもっとも知っているそしてもっとも活用する医師が導入することになる。(それもまた患者への責任のなせる技)だが、そのあたりの不条理感と”いそがしいのに’という言い訳がグラム染色の普及をおさえているのだろう。

「抗生剤の選択」
抗生剤の選択に関して日本で伝統的に感染症科というものが存在しなかった事も原因しているが、それだけではないと思う。

抗生剤の選択にはその患者を助けるためと、最近と人との長い目でみての対決という、二つの意味合いがある。
これは、滋賀県に住む人が中性洗剤を使うか、椰子の実から作った洗剤を使うかという選択に少し似ている。
患者個人を救うという大前提がある以上、細菌の環境を守ろうという考え方には大きな力が必要になる。(琵琶湖周辺での長い年月をかけて我々が教育されたように。)それが各科の強い隔壁をやぶることが出来ず、いまなお抗生剤は広いからなんでも結構効く的な理論がまかり通っており、また若い医師には「カルバペネムってなるべく使っちゃいけないんでしょ?」というマニュアル的思考までしか届いていない。


そしてそのすべてに共通して言えることは当たり前のことですらpeer pressureによってねじ曲げうる国民性ではないだろうか。あの戦争の時のように。。

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